道祖神スタッフより

NBO/JNB駐在員日記 from JOHANNESBURG

駐在員によるアフリカの日常風景

JUL2008(MAY-JUN2008)

外国人襲撃事件に関して

 日本で少し報道され、Yahoo Japanでも暫く上の方に、PRとして、南アフリカで外国人襲撃事件、ワールドカップ開催は大丈夫か?というのが出ていましたが、この件は、簡単には言えない面もありますし、何故起きたのか?扇動者がいたのか?など、不明な事も多くあります。

 実態は、全ての「外国人」が対象になった襲撃事件ではなく、主に、モザンビーク、ジンバブウェ、マラウイ、ソマリアなどから来て、スクウォッターキャンプや、ヨハネスブルグ旧市街辺りに住む、弱いアフリカ人が襲撃を受けたもので、それ以外に襲われた、ナイジェリア人、パキスタン人、バングラディッシュ人、中国人は、商売をやっていて、お店が襲われたり、商売の金を狙われて襲われたので、外国人排斥運動ではなく、全く関係ないか、それに見せかけた強盗事件でしょう。

 襲われた弱いアフリカ人は、日本でも出稼ぎ外国人がしている、3Kと呼ばれる仕事や、他の現業部門で働く人が多く、生活費をおさえる為もあって、スクウォッタキャンプと呼ばれる、掘っ立て小屋が多い地区に住んでいるために襲い易く、物価上昇・失業率の高さなどで鬱憤が溜まっている人や、それに便乗した強盗、ヤキモチによる襲撃のターゲットにされ易かったのでしょう。

 そういう地区の中でも、黒人居住区に隣接した所では、黒人居住区内のコミュニティー、政党、市政府、NGOが協力しておさえにかかったので、早く終息し、被害が酷くならなかった所が多く見受けられます。

 その中で、酷くなって報道された、アレキサンドラの場合、ジンバブウェ野党の党首が滞在していた時期とも重なり、その支持者も多くいる事から、それを敵とする誰かが仕掛けたのではないか?と疑われてもいます(証拠は出ていませんが、その可能性で、警察も調べてはいました)。

 襲われた外国人の中には、密入国者、不法就労者、強盗などの、犯罪者もいるのでしょうが、多くが弱い人達で、殺された人の三分の一は、外国人ではなく、南アフリカ人だったそうです。

 外国人嫌い・外国人排斥運動の英語として、ジェノーフォビアという言葉で報道されていましたが、その事を歌った詩人が、これは、ジェノフォービアではなく、弱いアフリカ人イジメなので、アフロフォービアだと言っていました。

 襲撃から逃れ、避難所にいた人達への炊き出しや、子供達へのアートセラピーってのを、私の妻達や、調度日本から来ていた友達がやるというので、手伝いで何回か避難所に行きましたが、子連れも多く、被害者の多くが弱い人達だってのは、いつでも、どこでも変わらないのですね。

 大人たちは参っていて、風邪を引いている大人・子供もいましたが、子供達は友達と一緒に寝泊りできて、炊き出しもあって、ヨーグルトなんかも食べられて、普段の生活よりも良い待遇なのか、元気にしている子もいましたし、写真を撮ると、撮って撮ってと、大喜びでカメラの前に出てくる人が多いのは、やっぱりアフリカ人でした。

 テンビサのコミュニティーホールに避難した人達。自国のモザンビークに帰った人達もいるし、元住んでいた掘っ立て小屋に戻った人もいます。ジンバブウェ人の多くは帰りたがりませんでした。
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 旧黒人居住区テンビサのコミュニティーホール。こういうホールではなく、警察署の裏庭に張られたテントに避難した人も多い

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 子供と母親の部屋。男性、赤ん坊と母親、女性だけと、別々の部屋に分けていました。

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 炊き出しは、NGO、ANCの支部などが協力して行い、このホールには、スーパーのウールワースから食料や紙オムツの寄付が来て、後から毛布とかマットレスとかも来ていました(毛布やマットレスが届く前にモザンビークに帰った人も沢山いました)

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  アートセラピーで子供達が描いた絵。

  新聞に、他の避難所で子供が描いた絵と、描いたいうのが出ていましたが、その絵は、デフォルメされた人間が他の人にナイフで刺される絵で、殺さないで、暴力反対とか書かれていて、大人が描いたか、描かせた絵を子供に持たせて写真を撮ったと思われる絵でした。

 長く続いている内戦ではなく、突発的におきた事件で、急に避難してきて、修学旅行見たいな感じの子供も多く、大体はノビノビした絵を描いてましたね。

 後日、他の避難所で、マラウイ人が多い所にも行きましたが、やっぱり描く絵は、アフリカ人らしい絵が多かったと思います。(これらの絵は、避難所に支援に行き、アートセラピーをやった友人、小山えりこさんが主宰するニバルレキレの展覧会で見れる事になると思います)

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 おまけ。友達の娘カムヘロもアートセラピーに参加して、紙を奪い取ろう、絵の具を奪い取ろうと邪魔をして、分捕れたマシュマロで手がベタベタになってました。

 この事件は、対象が前外国人では無かったので、私達日本人は勿論安全でしたし、観光客は標的にもならないし、事件が起きた地区も、スクウォッターキャンプの一部でしたので、観光には全く関係ありませんでした。

 この事でのワールドカップへの影響は?と考えると、スタジアムの建設現場でも、出稼ぎのモザンビーク人、ジンバブウェ人が働いており、その人達が逃げて困るのかな?

 でも、逃げ帰った人がいる代わりに、その人達がやってた仕事の後釜になろう、南アフリカの避難所に行って、寄付を貰おうと考えて、すれ違いで来る人達も多くいました。

 それよりも、最近の原油価格の高騰や、独占企業である、電力会社エスコムの電力代の一方的なる値上げ、それらに伴う、食料品など物価全体の高騰による、庶民の生活の厳しさ。

 それから来る、スタジアム建設現場を含めた、働く人達の賃金をUPさせないとならなくなる事の方が、ワールドカップ開催に向けての不安材料になるんじゃないでしょうか。

 治安面の不安は、本物のヤクザや強盗は、幾ら持っているか判らない観光客やサッカーのサポーターは眼中に無いでしょうし、街で遭遇したら危なそうなチンピラ共は、ワールドカップで警備員など仕事が多く出来るでしょうから、その期間は強盗しないで働くんじゃないですかね。

 警備員、駐車場の見張り、使い走り、売り子、イベント会場でのパフォーマンスなどなどをやる人達は、一歩間違えると、泥棒や強盗に落ちていく人達と年齢や経済的な層が近いですからねぇ。

written by JOHANNESBURG 駐在員

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