連載
アフリカルチャー・マップ
様々なデータからアフリカを大解剖!!
vol.02 アフリカというお仕事
アフリカと聞いて何を思い浮かべるだろうか。
まずはサファリ?草原に沈む真っ赤な太陽?ピラミッドやスフィンクス。あるいは紛争ダイアモンド、少年兵、難民キャンプなど?
でも、世の中にはアフリカと聞いて真っ先に「仕事」を思い浮かべる人たちがいる。
大使館で事務する人、道路づくりに行っている人、タコ漁に行っている人、商社のお仕事で駐在している人、そう、アフリカはまた、お仕事の大陸でもあるのだ。我らが同胞は、どんな風に働いているのか、あるいはいないのか(笑)
▽ 3つのアフリカ
日の丸印お仕事の本命は、やはり外務省。
「中東アフリカ局」という名前くらいは聞いたことがあるかも。その下に「アフリカ審議官組織」があり、それが「アフリカ第一課」と「第二課」に分かれている。
(名称からは正体不明なアフリカ審議官組織は中東アフリカ局からアフリカ部門(局)独立を目指した動きの名残りらしい。「局として独立は認めないが、それぽっい名前をやるから我慢しろっ」てことだったのかどうかは知る由もないが。)
どこが「第一課」、どこが「第二課」の担当なの?
と調べると、西アフリカ〜中部アフリカが第一課、東アフリカ〜南部アフリカが第二課のよう。
仏語圏が第一課で、英語圏が第二課らしい。地理的に離れたマダガスカルやジブチは仏語圏ゆえか第一課の管轄だ。
納得。
ガーナ、リベリア、シェラレオネのような仏語圏に浮かぶ英語圏の国もあるけど、〈言語+地理+諸般の事情〉で分けたのだろう。
アルジェリアやリビア、エジプトといった北アフリカは中東課に入る。
北アフリカはよくサハラ砂漠以南の〈ブラック・アフリカ〉と区別されるので、これもありかと納得。
しかし、れれっ!スーダンが中東に入っている!
えっ?確かにスーダンにはサハラ以北の地域もあるが、なぜに!?スーダンが中東? ビン・ラディンをかくまっていたから!?(そんな馬鹿な!)
地図を眺めるといつもぶつかる謎の地域「西サハラ」。
外務省的には、西サハラは中東第一課に入る。
しかし、モロッコとの国境線はなぜか点線で、モロッコの一部のように見えるのに、西サハラは真っ白。モロッコに占領された西サハラを日本は国家として承認していないからのようである。
▽ 大使館は53。でも大使は24人
外務省は中東アフリカ局とは別に在外公館を持っている。いわゆる大使館や領事館だ。
アフリカでは、その数3。
えっ、そんなにあるの?というのが素朴な感想。もっと驚くのは、大使閣下は24人しかいないこと。
実在する大使館(大使つき)が24館。それ以外の国は近隣の大使館が兼任(外務省用語では「兼轄」という)し、大使館は実在しない。その数が29ヶ国。
国としてはどうも「大使館がない国」という表現はよろしくないので、「大使館はちゃんとある。その業務は近隣の国でやっている」と表現したいようだ。
アフリカ全部の国に大使がいないからといって非難されるはずもなく(なんたって日本の80倍の面積!)、お役所ならではの事情があるのかな。
で、ナミブ砂漠で強盗に身ぐるみはがれても、『ナミビア大使館』は、あろうことか1200キロの彼方の南アフリカ共和国・プレトリアにしかなく、呆然と砂漠に沈む夕日を見つめる……。
セイシェルで何かあったらインド洋を泳いで渡ってケニア大使館に駆け込むわけか…。くわばら、くわばら。
兼任している大使館では、
セネガルが6カ国と一番の大所帯。
ついでケニアが5カ国、南アフリカが5カ国。
ガーナとコートジボワールは兼任する国が東西に交差しているが、「リベリア、シェラレオネは英語圏だからガーナにお任せ」ということか。エリトリアがケニアの管轄なのは、エチオピアから分離独立したため、エチオピア大使館では何かと都合が悪いということか?
驚いたことに、ジブチの管轄は、隣のエチオピアでも、兼轄大国ケニアでもなく、なんと在フランス大使館である。
スエズ運河をめぐる攻防が激しかったその昔、紅海を臨む要衝アフリカの角一体はフランス領だったが、それも昔の話。21世紀の今、なぜジブチがフランス大使館管轄なのか謎である。
それに大使兼任ならば、当然、お手当てもでる? そのあたり、どうなっているのか知りたいところだ。
▽ 勝手にランキング
大使館・ジャイカ事務所などに加えて、在日大使館、TICADへの元首の出席、日本のメディアが駐在しているかなどの指標を使って、お役所的に見たアフリカの「重要国」を勝手にランキングしてみた。
その結果、南アフリカが堂々の第1位、続いてエジプト、ケニアが次点についた。3ヶ国の1人あたりGNPでは、南アフリカ2600$、エジプト1530$、ケニア350$。
ケニアの「圧敗」である。GNPに反する?ケニアの健闘ぶりからするに、アフリカの「超大国」には政治的な安定やら地政学的な要素も欠かせないようす。
また、ゼロつまり「大使館もあらゆる日系事務所もない国々」が半数近くの23ヶ国あるのも、考えてみれば凄い。
それらの国々には、紛争ですっかり有名になったソマリア、シェラレオネ、リベリアや、悪夢のような虐殺があったルワンダも。
それに南海の楽園セイシェルに、ドイツ人には大人気の観光地ナミビアも日本相手では見る影もない。
同時にメディアで良くも悪くもおなじみの国が目立つ。
お役所の空白地帯はメディアと旅人たちの独断場というわけだ。そう考えてみると、時代の半歩先、お役所の一歩先を行く我らアフリカ旅行者としては、アフリカで見たもの、聴いたことをあちらこちらで吹聴して歩くのが実は、立派な務めだったりするのかも。
命短し、旅せよ乙女、語れよ乙女、だ。
