連載

  • Vol.16 村の暮らし(2)

     女たちは頭の上の琺瑯(ほうろう)の器を下ろすと、小さな瓢箪の柄杓で私のなべにひとつ、ふたつと汲みだしてゆく、おおよそペットボトル一杯の量になるまで汲み入れて100フラン、日本円で約20円だ。早速、手伝いをしてくれているセニ君が七輪にかけて沸かし始める。村人たちでさえも...

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  • Vol.15 村の暮らし(1)

     東の空が明るくなって、やがて砂丘の向こうに朝日が昇ると、隣のキャンプマンの泊り客が起き出して、次の目的の村への出発準備をする音が聞こえてくる。キャンプマンでの朝食はピンポン玉の大きさに、小麦粉を丸めて油で揚げたハルミと紅茶が出されていた。簡単な朝食のあとは、大きなリッ...

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  • Vol.14 犠牲祭・タバスキのこと(下)

     ドゴンの言葉ではタバスキのことを「ライ」と呼んでいる。また犠牲祭で羊を犠牲として捧げることを「ペジュ・ライ」という。「ライ」はタバスキで、「ペジュ」が羊のことである。  この日はまさに、羊の肉の洪水であった。犠牲に捧げられた羊は、男たちによって壁に挿されている大きな木...

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  • Vol.13 犠牲祭・タバスキのこと(上)

     2月に入るとインフォーマントのウスマンが、私の家事手伝いをしてくれているクセニに、彼がもっている羊を売って欲しいと、何度も頼んでいる姿があった。村のモスクの指導者イマームの一人として、ウスマンはどうしても羊を手に入れたいのだ。  しかし、誰も羊を売ってくれそうなものは...

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  • Vol.12 村を訪れた日本人たち (下編②)

     アフリカの奥地には電気もない。もとより炊飯器などだれも見たこともない。炊飯は炭火である。七輪のような炉に炭火を起こし、米は鍋で炊くことになる。  これにはコツがあって、まず鍋の米が沸騰したらすぐ、七輪の炭火を半分くらいまで少なくし、七輪に金網を載せ、遠日になるようにし...

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  • Vol.11 村を訪れた日本人たち (下編①)

    一月十二日、学校工事の費用にと、日本から持ってきているトラベラーズ・チェックを銀行で交換するために、モプチに出てきていた。この日は、いつもと違って、カニコンボレ村を通っているバンディアガラ方面行きの自動車は何時間待っても来ず、仕方なくバンカスまで出て車をチャーター...

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  • vol.10 村を訪れた日本人たち (中編)

     平山さんのグループは、ドゴンの話を聞きながら、キャップマン定番の昼食を食べ終わり、まだそれほど暑くならない内にと、ガイドの案内で遺跡に登って行った。  テリ村の遺跡は、この辺りでは一番大きいもので、遺跡の一番東に残されているオゴンの住居跡から、西の端まで500mにもな...

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  • vol.09 村を訪れた日本人たち (前編)

     2003年1月1日、この日の朝も何時もと同じように夜が明けた。  まったくのところ新年を迎えたなどという、そんな感情などさらにない。「山中に暦日なし」ということか。    何時もと同じように夜が明けて、子どもたちは何時ものように、仮住まいの前に集まって、七輪の炭火に当...

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  • vol.08 村の生活が始まった(後編)

    12月20日過ぎて本格的にハルマッタンの風が吹くようになり、少し高台になった学校の工事場から見ると、村の南側にある井戸脇の大きなバオバブあたりから向こうは砂塵で霞み、遠くバンカスの方面はすっかり吹き荒れる砂塵で何も見えない。 砂の世界の広がりである。 砂嵐の中ではマスク...

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  • vol.07 村の生活が始まった(前編)

    10ヶ月ぶりにテリ村に帰ってくると、また以前と同じ生活が始まった。 さすがに、この10ヶ月の月日の変化を見せる子どもたちもいたが、ほとんどが同じ顔付きで、同じシャツを着て現われるのもいるようだ。 6月に割礼を受けた子どもたちは、いまではもう大人の仲間に入った筈だが、私の...

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  • vol.06 買い物に行く(後編)

    少しばかりの下りにかかるころになると、バンカスの無線のポールが遠くに見えてくる。 目を凝らすとかすかに給水塔が見えていて、そこからだと約一時間の道のりである。放牧された牛の群れが多くなる。 バンカスは小さな町で、最近町の中央辺りに石造りの大きなマーケットの建物が、新しく...

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  • vol.05 買い物に行く(前編)

    テリ村に市は立たない、ちょっとした買い物にはエンデの市に行くか、カニコンボレの市の日に出かけるより方法がない。 エンデに行くにもカニコンボレに行くにしても、4キロばかりの道のりだが、エンデの市よりもカニコンボレの市の方が少しばかり大きかったし、また道もエンデに行く道より...

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  • vol.04 子供たち(後編)

    割礼は村の長老たちによって決められる。 割礼をする事に決まった男の子は当日、 頭髪を剃る。 そして水浴びをして身体を清潔にする。 長衣に着替える。約二週間傷が癒えるまでパンツは穿かない。 割礼を行う。 ミレットで飲み物を作り、子供たちに配る。 大人たちからドゴン人として...

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  • vol.03 子供たち(前編)

    夜が明けると、ほとんど毎日のように五才の男の子ブカリが現われる。 それも真っ直ぐ私の前に来るのではなく、まずコンパウンドを囲っている塀の影からそっと覗いて、私が入り口の前に座っているのを確かめると、入ってきて何も言わずにニッコリ笑う。 彼の兄弟の特徴になっている大きな口...

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  • vol.02 村のこと(後編)

    村はそれぞれ断崖に向かって三本の道が、村を四つに分けていて私の仮住まいのある西の集落、モスクの道で分けられた集落、村の東側にあるもう一つのキャンプマンから断崖に向かって伸びる道に分けられた集落、そして一番東側の集落と、大雑把に分けるとその四つになる。 テリ村の住民たちに...

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  • vol.01 村のこと(前編)

    バンディガアラの町には入らず、道を右に折れて行くと、いかにもドゴンの村の様相を持ったジキボンボの村を通る。ランダムに積み重ねた石垣に囲まれた村を過ぎて、しばらく行くと、断崖の端に立つことになる。そこからは一挙に視野が広がって、断崖の裾からは何処までも見渡せる平原が続き、...

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