連載
ソウェト・ウォッチング
ヨハネスブルグ駐在員によるソウェトエッセイ
vol.07 ソウェトの人々はどんな家に(下)
◆ キッチン
キッチンには、多くの家が冷蔵庫、調理用コンロ(ストーブ)、食器棚などを持っています。ストーブは、現在は電気を使っている家が多いのですが、電気代が払えないとか、節約のために、豆炭、薪のストーブ、灯油コンロを使っている家も多くあり、夕方のタウンシップは煮炊きの煙があちこちに漂っています。
外だけでなく、家の中も煙だらけになっているのを見ると、栄養失調だけじゃなくて、これじゃ肺に悪いだろうな、と感じます。
電気代はちゃんとした定収が無い人は後払い契約ができず、プリペイドになっているので、お金が無い時は灯油などで、お金が入れば電気ということもあります。
どこの家でも立派なお鍋のセット(大・中・小・フライパンなど大体5〜6個セット)がピカピカに磨かれているのを見かけます。
◆ ダイニング
ダイニングにはソファーがあり、多くの家にはテレビがあります。
テレビは重要な娯楽です。
綺麗な棚を持っている家もあります。ベッドルームには多くの家がダブルベッドを置き、タンスを持っています。押入れはありません。
家具だけ見ていると、どこが貧しいのかな?と思うような家も多々あります。
◆ ベッドルーム
アフリカの家というと子供が数え切れない位出てくるというのが相場です。
が、タウンシップの家では現在はそんなに子沢山では無く、子供の数は大体1〜4人という所でしょう。
しかし、親戚の同居者や、他に住んでいる親戚の子が来ることが多く、学校休みともなれば家の中が子供で一杯という所もあり、ダブルベッドでは二人で寝るのが当たり前(もちろん一人で寝ている人も多い)、ベッドが足らない場合は、ダイニングのソファーとか、床に毛布を敷いたりして寝ます。
年長者など立場の強い人が良いベッドで、立場が弱くなると段々追いやられ、子供らはベッドルームの隙間(床)で寝るのは当たり前です。
◆ シャワー
お風呂は、一般に、増築した家、新築の家以外はありません。
タウンシップの人々のお風呂は、毎朝、プラスチックのタライにお湯を入れて、洗剤をタオルに付けて身体を洗っているのです。
夜、体を洗う人が少ないのは、昔は水しかなかったからでしょうか?それとも乾燥地で汗をかきにくいのでそのまま寝ても気持悪く無いからでしょうか?
朝の出かける前に身体を洗うために、約束をして迎えに行くと、今ウォッシング中とかで待たされることが多々あります。
用事に遅れないようにするには、早めの時間に約束をし、それでも早めに迎えに行ってプレッシャーをかけ、待たされても、私の様に家にシャワーや風呂があって寝る前に風呂に入れるのでは無いから、と怒らずに待つ必要があります。
女性同士はウォッシング中でも平気で部屋の中に入り、ウォッシングしながらおしゃべりするので、女性は余計に時間がかかります。
若い女性などはトイレの中も平気で、二人で一緒に入るけど、男性はウォッシングもトイレも恥ずかしがりますね。
◆ トイレ
トイレは家の中に増築していなければ外にあり、敷地奥の角に隣の家のトイレと並んで建っていますが、これは水道の配管の都合でしょう。
水道代は昔は無料でしたが、今は水道局の民営化が進み、地区毎に段々と有料化されています。
電気代が有料になった(最初は無料だった)時にも有料を拒否されて電気を止められて困った人がいたそうですが、今進んでいる水道のメーター設置を拒否して既に水を止められて、近所の家に毎日お金を払わずに水汲みに行くちゃっかりものもいますが、それを簡単に断れないのもアフリカの優しさなのか、弱さなのか……。
トイレが外にあるために夜間トイレに行くのを嫌がり、夜は部屋の中のバケツに用を足す人もいます。
特に塀で囲まれていない家に若い女性が住んでいる場合には安全面での問題もあります。
◆ ガーデン
庭があっても、農業から離れて長年経つタウンシップの人々は、庭に野菜を作ることはほとんどせず、白人の真似をして前庭に芝生や花を植えたりするようです。
野菜を作るといえば、私の知り合いで、喫煙すると逮捕される草を庭で栽培していたのが、隣人の通報だかで、早朝警察が来て、たまたま逮捕は免れたものの当該の草全てを引っこ抜かれて、その後に野菜を植えて家計の足しにすると言っている元タワケ者がいます。
その草は他でも調達できるようなので、野菜で食費をセーブしてそのお金で草を買っているのでしょうかね?