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vol.03 ソウェタンから見た日本人と中国人

▽ ソウェタンから見た日本人と中国人

ソウェト、南アフリカに限らずアフリカ中で、日本人はまず中国人と思われています。南アフリカ黒人の子供には「ムルング(白人)」と呼ばれることもありますが、まず「チャイナ」って言われる方が多いです。

南アフリカの中国人は昔、金鉱の労働者としてマレー半島から年季奉公に来て年季が切れてそのまま定住した、イギリス領だった香港から来た、アパルトヘイト政権時代に数少ない国交相手国の台湾から来た、等々の出自ですが、1994年に政権が変わって以来、中華人民共和国から多くの人々が出稼ぎや観光に来ています。

特に黒人にとって、日本人は中国人と見分けがつきません。どっちにしろ金持ちなので日本人は中国人であり、白人なのです。
私が1人でいる場合には、ソウェトでも初対面の人はまず心を開いて話かけてこないし、観光客なのでモノを売ろうとか、金持ちだからたかろうというのがほとんどです。地元の友達などといる場合でも、大体が中国人と思われていますし、友達が私を十分に紹介するまでは、単なるカモを連れてきたと思っている者もいるようです。

彼らには中国人、日本人、韓国人の区別はつかないのです。
で、私も日本人にはズールーとストゥの区別も、南ア人とジンバブウェ人、ナイジェリア人(ここまで言うと嫌がる)の区別が付かないということで説明しています。
ちなみに切れ長の目をチャイナ・アイズというので、ソウェトにはチャイナというあだ名の人もいるようです。


▽ 中国人と思われる場面

ソウェトにいて、自分が中国人と思われているなあとわかる時は、つぎのような場面でしょうか。

  1. カンフー、ジャッキー・チェンの話をされる。これは世界中そうでしょう。私をTVで見たという人もいる。酔っ払っている場合には、否定すると嘘付いても判る、ちゃんと見たんだぞと言われる。
  2. 日本語を知っていると言って話出す(大体酔っ払い)が、殆どが中国語の真似である。本当に日本語を聞いたことがある人は、音・イントネーションなどが違うのが判るようで、日本語を聞いてる人の真似とはまったく違う。
  3. 日本人の会社で働いていたことがあると懐かしそうに言われる。良く聞くと大体が中国人の会社。
  4. 「オイシー」って言われる。これは「チャイナ」って言われるのとほぼ一緒である。テレビ番組のウイスキーCFに登場する日本人のおじさんが「オイシー」って言ってたのを、中国語の挨拶だと思っているからのようだ。
  5. 肉屋でこの肉を何キロ買えないかとか聞かれる。肉屋はソウェト内でも旧市街でも中国人が経営していることが多く、私が肉屋の店員だと思っている。
  6. 服屋、裁縫用具店で質問される。これはインド人経営が多いので不思議なのですが、お店をやってるのはインド人か中国人が多いから区別がつかないのでしょう。
  7. バラグワナ病院で中国人ドクターと思われて、ずっと待ってて苦しいので早く見て欲しいと頼まれた。患者をお見舞いしてお祈りする神父にも、ドクターお邪魔して済みませんとか言われた。
  8. 急に私の番号は?とか、番号を売ってとか言われる。病院の待合室でこれを言われた時には整理番号のことでやっぱり催促かと思ったら、闇賭博のナンバーズを黒人居住区で売っている中国人がいるので、それを買いたいとか、買ったのだけど当たり番号が知りたいということだった。
  9. 警察に不審尋問で車内をサーチされた。免許書、パスポートのコピーを見せても日本人と中国人の区別がつかない警官がいる。中国人は違法で拳銃や麻薬を持っているのがいるかららしい。
  10. あんまり思い出したくないけど、カー・ジャッカーに車をかっさらわれた時に、拳銃はどこだと何回も聞かれてズボンのスソなどを触られたが、私は日本人で中国人じゃないから拳銃は持っていないと言ったら納得された。


▽ 日本人への悪いイメージはあまりない

中国人は商店経営、レストラン経営、貿易をしている人が多く、今ではヤクザも各種(各地方から)取り揃えられているそうです。
ソウェトで、中国人と思われて話をしていて、日本人と判った途端に態度がちょっと変わることがあります。昔からいっぱいいる中国人よりも、ほとんど本物を知らなくて、日本製品・日本企業しか知らない人達には、日本人への悪いイメージはあまり無いのではないでしょうか。

南アフリカの日本人は結婚して住んでいる人や現地の会社で働いている人、駐在員とその家族などで全体でも1千人ちょっとしかいないのです。ですがソウェトでは、メイドとして日本人家庭で働いていた黒人女性が妊娠し、可愛い子供を産んだという話がありました。

大体が中国人の場合(白人の場合はもっとあるでしょう)でしょうが、その日本人は日本に帰ってからも仕送りをしていたので、日本人は親切でましだと聞いたことがあります。
ただ、私は日本人との混血児に会ったことはまだありません。

written by 道祖神|ヨハネスブルグ駐在員|高達 潔

▽バラグワナ病院  正式の名称は「クリス・ハニ・バラグワナ・ホスピタル」

ベッド数3、400、一日の外来患者が3、000人といわれる南アフリカ最大の国立病院。
他の黒人居住区の国立病院と比べると、設備・治療などはましといわれるが、薬も医者も患者数に比べて足らないと言われるし、内部での予算配分もうまくいっていないとか。

お見舞いで行くと病室によっては絶望感からか患者を他に連れて行きたいと感じることもあります。
なお、クリス・ハニは南アフリカの民主化目前に暗殺された解放運動の指導者。バラグワナは前身の軍病院になる前に土地を所有していた地主の名前から来ています。

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